目次
巧妙化するサイバー攻撃と被害の実態
暗号資産を狙うサイバー犯罪の激増
暗号資産は伝統的な金融商品に比べて規制が未整備な部分が多く、さらにブロックチェーンの仕組みを悪用すると資金の流れが把握しづらいため、サイバー犯罪者の格好の標的となっています。
近年では、複数の取引所や金融サービスが世界規模で攻撃を受け、年間被害額が数百億円から数千億円にのぼるという試算もあります。
攻撃の標的は“取引所”だけではない
サイバー攻撃と聞くと、大手取引所や金融機関を狙うイメージが強いかもしれません。しかし実際には、ネットワーク構築を担う下請け企業や関連サービス企業に攻撃者が侵入し、そこからメインのシステムにアクセスして暗号資産を奪うケースも少なくありません。
例えば「口座管理や顧客対応を別の会社に委託している取引所」などは、グループ企業や関連企業間のセキュリティ体制が脆弱な場合があり、そこを突かれるリスクが高まります。
さらに、サイバー攻撃によって内部の情報が流出すると、顧客資産のみならず顧客の個人情報や取引記録まで窃取されてしまう恐れもあります。
攻撃は一度では終わらない
一部の報告では、ある攻撃集団は複数回にわたって同じ組織を狙うことが確認されています。これは一度成功した攻撃手口を再び使う、あるいは内部にまだ残っている“バックドア”を活用して、新たな脆弱性が見つかったタイミングを狙うためです。企業側は一度攻撃を受けて対策を施しても、常に新しい手口や残留しているマルウェアへの警戒が必要になります。
甚大な損害をもたらす「夢の仕事作戦」
![](https://ssw.splashtop.co.jp/fwp/wp-content/uploads/2025/01/Splashtop-Secure-Workspace無し-1-2.png)
SNS上のヘッドハンティングにご用心
近年、特に問題視されているのがSNSを悪用した「夢の仕事作戦」です。ビジネス向けや専門技術者向けのSNSで、「高収入の仕事を紹介したい」「もっと条件の良い企業へ転職できる」などと声をかけられ、興味を持ったターゲットに対して不正なURLを送付する手口が確認されています。
このリンクを踏んでしまうと、ウイルスが仕込まれたファイルをダウンロードしてしまい、パソコンや社内ネットワークに侵入される可能性があります。
現場レベルでの心理的な盲点
「夢の仕事作戦」が成功する要因のひとつは、ターゲットになった従業員が**「もっと待遇の良い会社へ移りたい」「専門技術を高く評価してほしい」**という願望を抱えていることです。攻撃者はそこに付け込み、あたかも一流企業の採用担当者を装って興味を引き、ファイルやリンクを開かせます。
社内のセキュリティ訓練でフィッシングメールへの注意喚起は行われていても、「SNSでの個別連絡」に関しては盲点になりやすいのが現状です。
被害拡大を招くパターン
一度、従業員のアカウントや端末がウイルスに感染すると、企業の内部システムや取引先との連携を辿って外部から自在にアクセスされるリスクがあります。暗号資産を扱う企業の場合、管理画面や送金先の設定を変更されてしまい、大量のコインやトークンが不正アドレスへ送金される被害が起こり得ます。また、管理会社を介して他の取引所や関連金融機関へ感染が拡大することもあるため、一社の被害で終わらず連鎖的に甚大な被害となる恐れがあるのです。
高度なIT教育と“精鋭ハッカー”の台頭
ある地域での体系的なハッカー育成
暗号資産に対するサイバー攻撃が頻発する背景には、特定の地域や組織で進んでいる高度なIT教育とハッカー育成システムがあると指摘されています。数学やプログラミングに優秀な生徒を選抜し、専門大学や研究機関で最先端の技術を学ばせたのち、ハッキング技術まで習得させるという流れです。
優秀な生徒を徹底的に鍛え上げる環境
報道などによると、ある組織では30を超える大学や専門機関にITに特化した教育プログラムを導入しており、中でも優秀な学生にはさらに特別なコースが用意されます。単なるプログラミング言語の習得だけでなく、暗号理論、ネットワーク攻撃手法、マルウェア分析など、攻撃・防御双方の技術を深く学んでいるとみられます。
海外活動と偽装就労
さらに、そうした“精鋭”として育て上げられた人材は、偽造のパスポートや就労ビザを駆使しながら、世界各地の企業や開発プロジェクトに参加し、高額報酬を得る場合があります。実在のIT技術者になりすましてSNSのアカウントを乗っ取り、ゲーム開発や顔認証システムなどの開発業務を受注することで、合法的な手段で得た知識・情報を不正行為に転用するケースも報告されています。
こうした活動によって集まった資金の大半は、もともと所属している組織や政府に還元されているとの見方があり、結果的に暗号資産だけでなく高額報酬の“裏資金化”も進んでしまうのが現実です。
国際的な監視体制と課題
かつて存在した多国間専門家チーム
暗号資産の不正流出や関連する資金洗浄を取り締まるため、以前は国際的な専門家チームが存在していました。複数の国や地域のエンジニア、金融専門家などが連携し、取引履歴のトラッキングやマルウェアの分析を共同で行うなど、一定の成果を上げてきたとされています。
活動継続の困難さ
しかし、各国の政治的な利害や制裁方針の食い違いなどが原因で、そうしたチームが十分な活動期間を得られずに解散・再編に追い込まれる事例がありました。国連レベルの監視組織がうまく機能しなくなると、攻撃者側は規制が甘い地域や監視の目が届きにくい国を拠点にして、サイバー攻撃を続けることが容易になります。
新組織の立ち上げと今後の課題
最近、複数の国や地域の主導で新たな監視チームが立ち上がったとの報道もありますが、まだ始動したばかりで十分な連携体制を構築できていないという課題が残っています。監視網が届いていない地域や、独自の暗号資産ビジネスを急速に発展させている国もあり、そちらへ攻撃者がシフトする恐れは拭えません。
国際的な足並みが乱れたままでは、攻撃グループの活動を根本的に抑止することは困難です。したがって、今後はさらに多角的な情報共有と、各国の法整備や技術支援の拡充が求められています。
SSWで備える、安全なリモート環境構築のすすめ
「攻撃される前提」を念頭に置く重要性
ここまで見てきたように、サイバー攻撃は誰でも・どんな組織でも被害にあう可能性があります。特に最近の攻撃者は狙う企業や組織の規模を問わず、脆弱なポイントを探し出して突くため、「自社は大丈夫」「規模が小さいから狙われない」という考え方は非常に危険です。
被害を最小限に食い止めるためには、自社のネットワークやIT環境が常に狙われていると想定し、厳重なセキュリティ対策を日ごろから整備・運用する必要があります。
Splashtop Secure Workspaceが提供する主な強み
ゼロトラストをベースとしたセキュリティ設計
ゼロトラストとは「社内であっても常にアクセスを検証する」概念です。Splashtop Secure Workspace(SSW)では利用者や端末、アプリケーションのアクセス権限を都度確認し、権限のないアクセスをブロックします。
社員がリモートで接続する際にもセキュアな経路を強制し、不正接続のリスクを大幅に低減
すべてのトラフィックを暗号化することで、傍受や改ざんを防止
多要素認証(MFA)による不正ログイン対策
パスワードの漏えいが発生しても、追加の認証ステップ(ワンタイムパスコードやバイオメトリクスなど)が必要なため、不正ログインを阻止しやすくなります。特に「夢の仕事作戦」のようなSNS経由でアカウントを乗っ取ろうとする攻撃にも効果的です。
安全なファイル共有とデータ保護
業務上やり取りされる機密情報が、Splashtop Secure Workspace上で暗号化された環境を通じて送受信されるため、万が一社外の端末が感染してもデータの抜き取りを難しくします。また、外部とファイルを共有する場合も安全性を確認した上で行えるため、誤送信やウイルスファイルの配布リスクを軽減できます。
包括的なログ管理と監視機能
いつ、どの端末から、どのファイルやシステムへアクセスが行われたかを詳細に記録・監視します。異常なアクセスがあれば即座にアラートが上がり、管理者が迅速に対処できる体制を整えられます。
これにより、サイバー攻撃が発生しても被害の拡大を防ぎ、原因究明を容易にします。
導入によるメリットと今後の展望
リモートワークの拡大にも柔軟に対応
コロナ禍以降、リモートワークや在宅勤務を導入する企業が増えましたが、その分ネットワークの境界があいまいになり、セキュリティリスクも高まっています。Splashtop Secure Workspaceは、オフィス外からのアクセスを管理・制御する機能を備え、企業が求める利便性と安全性を両立させます。
内部不正や人的ミスへの対策
従業員が不注意でマルウェアに感染したり、故意に情報を持ち出したりするリスクにも備えられます。アクセス権限やログ管理を徹底することで、たとえ一部の端末が攻撃を受けても被害を局所化しやすく、取り返しのつかない状況に陥るのを防ぎます。
最新の攻撃にも迅速にアップデート対応
サイバー攻撃の手口は日々進化していますが、Splashtopでは継続的に脅威情報を収集・分析し、機能アップデートを行う体制を整備しています。導入企業は追加投資を最小限に抑えながら常に最新のセキュリティを確保できます。
被害を「防ぐ」から「最小化する」時代へ
暗号資産を狙うサイバー攻撃は、世界各地の企業や組織を巻き込み、多大な損失をもたらしています。こうした状況で最も重要なのは、「100%攻撃を受けない」ことではなく、攻撃を受けたとしても大きな被害に発展しない仕組みを整えることです。
Splashtop Secure Workspaceは、ゼロトラストの考え方と堅牢なリモートアクセス環境を実現し、巧妙化するサイバー攻撃から企業や組織を守る強力なソリューションです。もし、現状のセキュリティ対策に不安がある方や、これから暗号資産関連の事業拡大を検討している企業様は、ぜひSplashtop Secure Workspaceの導入をご検討ください。